
子ども達の遊びは縄文の時代を彷彿とさせます。
植物や動物、昆虫を採取し、土をこね、それを暮らしの中で利用していく。
子ども達は草花を束ね、美しさを共感できる誰かの喜ぶことを想像し、土をこねままごとのようなことをはじめ誰かに食べさせることを思う。
そんな遊びの中の自然物を暮らしの中でどう生かしてきたか暮らし体験の喜びと感動を子ども達に伝えていきたいと考えました。

いつも遊びに行く野川べりには桑の木が生えています。これは、この辺が製糸工場があった名残のようです。「これは食べられるの?」初めて食べる桑の実にはじめはおっかなびっくり。甘いと知るや否や手も口も紫にして食べました。ジャムにしたら保存もできてしばらく楽しめます。

歩く道すがら踏んづけて見向きもしない雑草のなかに食べられる草がたくさんあるよ。「この草もたべられるの?」摘んで遊ぶ花も食べられると知って驚いたよね。ヨモギの見分け方ももうわかったね。餅草ともいうよ、「においをかいでみて?」今度は草餅にしてみようかね。

庭にたくさんのドクダミが生えます。臭いにおいにえ~という声、でもかわいい白い花はお気に入り、花が咲くころ子ども達とドクダミをとりました。「これもたべられる?食べられるけれど食べる以外にも役に立つよ?」これを洗ってかわかして、焼酎につけると虫よけ、かゆみ止めのチンキができます。

「梅のにおいがわかる?」 いいにおい。 この青いところと黄色のところがあるね。梅のへたをとって氷砂糖でつけると梅シロップ、塩づけにすると梅干になります。

いつもこねて光らせる泥団子を藁と土を使って工芸品にチャレンジ、左官の技術で色漆喰を縫って光らせました。この土はおうちに使われる土です。りんごっこハウスはこれが使われているよ。「おうちのどこにつかわれているでしょうか?」「壁だ」年長さんの声でみんなびっくり

「昔の人は布をどうやって織ったんだろうか?」みんなの食べたトウモロコシの皮を使って布をおってみようか。乾燥させた皮が見事にぬのになりました。面白いもっとやりたい。そんな声が聞こえました。

栗のとれるころ、よく似ていますが大きくで丸い栃の実が採れます。クルミの実と似て外の殻をむくと鬼皮の包まれた実が現れます。こちらリースや栃餅づくりをする予定です。「灰汁取りにどのくらいかかるか知ってる?」大体3週間くらいかかるんだって。「さあどうやって灰汁をとるとおもう?」水につける、お湯・・・・灰!!

10月の中秋の名月を愛でる。古くから五穀豊穣を感謝する行事でもあります。上新粉と白玉粉を混ぜて団子を作りました。祭壇に飾って月を待ちます。虫の声を聴いてしばらくすると雲が切れてお月様が見えました。「昔の人はお月様を見てどんなことを考えたんだろうね。」

里山の景色を思い受けべながら秋の実りを楽しみます。食べると渋い柿があるってことをしらないこどもも。試しにがぶり・・・ううう。「どうしたら甘くなると思う?」干し柿にすると甘くなる、、、らしい。楽しみですね。

「このお面の皮は何でできているでしょうか?」ひも、糸、…正解はシュロ。シュロの皮を使ったり落ち葉を使ってお面を作り ました。この日に向けていろいろな工作物も作って楽しみにしていました。森の中にお化けがいっぱい。お菓子も好きだけど、、、いたずら大好き!!

田んぼで出た藁はその昔いろ生活の中でいろいろなもの使われました。「傘地蔵」の絵本の中でおじいさんやお地蔵さんがきたりかぶっているものはなに?何でできているの?」夏に作った縄文の家の屋根も藁だったね。それはリサイクルなの ではなく、暮らし道具や飾りが人の思いをつなぐものだと丁寧によりを掛け、正月飾りを作りました。

「草やつるを束ねると素敵な飾りになるんだけど…クリスマスの飾りってしってる?」秋になると子ども達はたくさんの木の実を拾います。その木の実にワイヤーをつけて、葛の蔓で作ったわっかに飾り付けをしました。クリスマスリースです。葛の蔓 を丸めるのも自分たちでしたので大小、形もぞれぞれ個性のあふれる飾りになりました。

「味噌って何でできてるの?」枝豆と同じ大豆なんだよ。ゆで大豆のいい匂いに、つい、つまみ食いが出るくらい。甘いねえ。泥団子で鍛えた団子つくりはお手の物です。麹と塩をまぜて時間をかけて発酵。金曜日のご飯の日には自分たちでこの味噌を使って味噌汁を作ります。とても美味しいと評 判の味噌です。毎年作ったみそをつないで手前味噌をつくっています。
保育者の振り返りより
○豊かさって何だろう。
何でもお金で買える時代にわざわざ手間と時間をかけることの意味を考える。
リサイクルやエコな暮らしを味わわせる、それだけでない。その時間と手間の中に誰かをおもう。(食べる人や身に着ける人のことなど)思いを込めて作られていく暮らしの文化を大切に思う。手仕事をしながらあれこれと話したり、待つ時間を楽しみにしたり、豊かさは人の思いに触れることかもしれない。
○子ども達が器用にやり遂げることに驚いた。包丁もピーラーも、ハサミも、危険だと遠ざけてしまいがちだが、道具を使うことも大切な体験であると感じた。
○危機管理はやはり子どもだけでは難しい。(体験が少ないのだから)保育者の経験からの注意も必要。
○子どもの遊びは縄文の時代をやり直して人になる経験であると心から思った。
○子どもが楽しんで取り組んでいる。無理のないプログラムになっている。
○家庭からの便りで、おうちでもやって見た。子どもに案内されてみてきた。など園での経験が家庭にもつながっているのはうれしい。
